むかしのはなし#01 台所の今•昔
文化財について保存・活用を推進する活動を行う文化財保護委員のみなさんに、泉大津市のむかしの暮らしについて語っていただきます。
(不定期掲載)
私たちは、毎日食事をする。
台所で食事を作り、食卓を囲む。
今の台所はオール電化、またはガスコンロ。
そして、ご飯を炊くのは炊飯器。
これはセットするだけで、時間が来れば炊き上がり、長時間温かいご飯を食べられる。
今の台所は、電気・ガスを駆使し、便利に調理できるよう工夫されている。
昔の台所はどのようなものであったのか?
名前は地域によって呼び名が違うようで、「へっついさん」「おくどさん」などと呼ばれているが、共通名は「かまど」という。
キャンプファイヤーのように薪をかまどの中で燃やし、その熱でご飯やおかずを炊くのである。
煤(すす)のために柱等には虫がつかないとも言われている。
私も中学生まで火の番でかまどの前に座っていたことを思い出す。
水回りはどうか。
今のように水道は無く、井戸水を汲み上げろ過し、その水を利用した。
ご飯を炊き、煮物を作り、洗い物をするのもすべてこの水であった。
野菜や食器などの洗い物はどのようなところでしたのか。
今のシンク、流し台と形状が似ているが、昔の洗い場は石で作られている。
これらは、土間といわれる部屋に作られ、床はセメントで固めたり、土の床に石を置いて動きやすいように作られていた。
これが昔の台所である。
(文化財保護委員/高橋)